名刺の歴史

名刺の歴史を知ってますか?

日本ほど名刺を日常的に使う国は他にない、というのはよく言われることです。そのことから、なんとなく、名刺は日本で生まれて日本で発達してきたものだ、という漠然としたイメージを持っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、そうではありません。名刺というのは、けっこう長い歴史を持っているのです。

名刺印刷の発祥の地はどこでしょう?

答えは、中国です。それも古代中国の時代、つまり紀元百年ごろにはもうあったのではないかと言われています。
といっても、最初の名刺は紙ではなく、どうやら木でできた札みたいなものだったようです。
この頃の名刺は挨拶に使うのではなく、人を訪ねて留守だったときに、来ましたよーと知らせるために使ったもの。
この時、自分の名前を書いた札を、家の扉の隙間に刺しこんでおいたそうで、このことから、名刺という名前が生まれたんですね。
発祥の地中国では、いまでも名刺はさかんに使われていますが、日本人のように、もらった名刺を目の前に並べる習慣はないそうです。

日本人が名刺を使い始めるのは、江戸時代。中国からなんと、千五百年以上遅れてのことになります。
私たちはまだ、ルーキー名刺使いなんですね。

名刺印刷のサイズはどうやって決まったの?

答えは、いまでも決まってません。
日本では東京四号といわれる55mm×91mmのサイズでほぼ統一されてますが、実はヨーロッパの名刺はサイズが違います。少しだけ小さい51mm×89mmなのです。
ヨーロッパで最初の名刺を使い始めたのはドイツで、16世紀頃とされています。最初はやはり不在通知用でしたが、やがて社交界でブームとなり、絢爛豪華洒脱華麗な名刺がたくさん作られました。
19世紀には写真を入れた名刺が流行り、このとき写真を入れやすいように、はじめてサイズ統一しようという動きが出たそうです。この時のサイズは57mm×82mmでした。
というわけで、実は今でも、名刺のサイズについて厳密な決まりはないのです。自由なサイズで作って全然かまわない、のですが……。
やはり、名刺入れに入らないサイズの名刺は迷惑ですよね。そこだけは気をつけましょう!

名刺をビジネスで使うようになったのはいつ?

答えは20世紀に入ってから。意外なことに、名刺にわりと縁遠いイメージのある、アメリカが最初だと言われます。
19世紀のアメリカではヨーロッパから輸入した社交用名刺がちょっと流行しましたが、それを会社の宣伝に使えないか、と考えた人が出てきたのです。これが現在のビジネス用名刺のはじまりと言われています。
第二次世界大戦戦後、日本はアメリカの影響を強く受けてビジネス用名刺をさかんに使うようになり、名刺印刷も増え、やがて世界一の名刺大国に昇りつめることになるわけですね。

日本では江戸時代から名刺が使われた、ということになっていますが、最初はありあわせの和紙にただ名前を書いただけのものが大半だったようです。カード型の名刺が使われるようになったのは、幕末に外国人がやってくるようになってから。日本で最初に現在に近い名刺を使ったのは、アメリカと交渉する幕僚だったとのことです。